今回はMinecraft内で作成した建築などのモデルの模型を3Dプリンターで出力してみたいと思います。
Minewaysというフリーウェアがあるので、これをダウンロード・インストールして使用します。Windows版、Mac版、Linux版があります。(Wineを利用しているようなので、Windows版が基本のようです。)
早速、うちの子供が作った天空にそびえる時計塔を出力してみることにしました。
MinewaysのFileメニューから’Save Model for 3D Printing’を選択します。マウスの右クリックで切り出す範囲を指定するように言われるのでこれを指定します。紫色にハイライトされた範囲が切り出されます。ファイル形式はSTLとします。
Minewaysで保存したSTLファイルを前回の記事でも使用したCuraで読み込んでみると下の図のようになりました。天空の時計塔なので縦方向にやたら長いですね。しかも物理的に自立するかどうかかなり怪しいです…。(;^ω^)
しかも折角の文字盤や針が表面のガラス素材のケースの形状に埋もれて見えません。
仕方ないので時計塔はあきらめて近くにある砂漠の村を対象にします。
やはりMinewayでエクスポートしてみます。
今度はさっきより面積が広いので、切り出し範囲のモデルが高さ5cmに収まるような大きさにしてSTL形式で出力します。
Curaで読み込みます。大きすぎたので、全体をスケーリングして縮小します。
50パーセントに縮小するとこんな感じです。
X-ray表示にすると地下の内部に空洞があることが分かります。この空洞もモデリングされますが、今回は不透明のABSを素材に使用するので出来上がってしまうと隠れてみえなくなります。
樹木などは形状がオーバーハングしているので、サポートを付けます。Layer Viewにするとこんな感じです。
Curaで出力したgcodeファイルを前回の記事でも使用したNt100という3Dプリンターにアップロードしてプリントしてみます。(今回も東京蒲田のおおたFabさんに設置してあるNt100を使用。)
今回はABS樹脂なので温度は前回のPLAよりも高めに設定してあります。
G-codeビュワーで表示するとリアルタイムにプリント中のレイヤーの軌跡が表示されます。
Nt100でプリントしている様子です。今回は白いABSのフィラメントを使用しています。
プリント中の様子。充填率は20パーセントに設定してあります。
プリントが完了しました。
ブリム(brim:一番下の層のつば状の部分)の一部がプレート上にうまく形成できなかったので、熱収縮による反りが生じて、プレートからからかなり浮いてしまいました。ABSは反りが比較的大きくなる素材のようです。
反りの失敗を除けば比較的よくプリントできていると思います。樹木の幹の周りなどにサポートが残っていますが、取り除くと樹冠部分も一緒に取れてしまいそうなので、このままにしておきます。(Minecraftのモデルは物理的な強度などについては全く考えられていないので仕方ないです。)
それから素材をPLAにして同じデータでプリントもしてみたのですが…。
家の屋根の部分などがつぶれてしまってきちんと形成できませんでした。きちんとプリントするには、表面に近い部分は密度を上げてやるなどのオプションを適切に設定する必要がありそうです。(今回はいずれも充填率(Infill)は単純に20%にしてスライス。)
というわけで、今回の教訓:
- ブリムやラフトと呼ばれる最下層の部分が最初にきちんと形成されているのを確認してからプリントを進めること。
- 素材や形状に応じてInfillなどの設定値を適切にコントロールする必要がある。
3Dプリンターで次は何をしましょうかね?
今日のところはこの辺で。